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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科27巻4号

1973年04月発行

薬剤

オルガドロン・クリーム(Dexamethasone Cream"Organon")の臨床効果について—2重盲検法による検討

著者: 藤田恵一1 船橋俊行2 渡辺靖3 仁木富雄4 松島伊三雄5 安田利顕5

所属機関: 1自衛隊中央病院皮膚科 2虎ノ門共済病院皮膚科 3東京中央鉄道病院皮膚科 4都立墨東病院皮膚科 5東邦大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.345 - P.349

文献概要

 今日,種々の炎症性皮膚疾患の治療に,topical steroidは欠かせない薬剤となり,広く用いられていることは衆知の通りである.その多くは,このステロイド剤の抗炎症作用ならびに抗アレルギー作用を利用して,強力な滲出性機転を抑制して,局所の炎症とともに,瘙痒を除去するものである.そうして,これらのtopical corticosteroidはnatural hydrocortisone──はじめはhydrocortisone acetateが用いられていた──にはじまつて,次第にその化学構造式を変えて,corticosteroid剤としてのpotencyをたかめてきたものである.この間corticosteroidのハロゲン化halogenationと16-,17-acetnideがこれらステロイド剤の抗炎症作用の強化とともに,topical steroidとしての特異性をたかめる条件であることが明らかにされてきた.すなわち,最近のtopicalcorticosteroidは,局所的,特異作用の強いものが用いられている.betamethasone valerate,triamcinoloneacetnidcは,全てこの方向の製剤である.
 表1はForsham(1962)があげている各種corticosteroidsの抗炎症作用とナトリウム蓄積効果の比較である.今回われわれが使用したdexamcthasoneは9α-luoro-16α-methylprednisoloneであつて,強力なbetamcthasoneに匹敵する抗炎症作用を有し,外用しても全身的影響のないものである.そうして,遊離のdexamethasoneを含む外用剤についての臨床成績については,わが国では,ほとんど公表されていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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