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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科27巻5号

1973年05月発行

文献概要

一頁講座

Methotrexate

著者: 眞海文雄1

所属機関: 1慶応大皮膚科

ページ範囲:P.392 - P.392

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 重症乾癬症に対し,以前より乾癬表皮細胞増殖のKineticに立脚して葉酸拮抗剤としてのAminopterinsodiumやmethotrexate(MTX)による治療が試みられ著効を示すことが報告されている.本薬剤の投与法としては種々,報告されているか,一般には以下の方法が用いられることが多い.1)1週間,少量のMTXを内服させ,その後,短期間の休薬期をおくReesらの方法.2)週1回,中等量(25mg〜50mg)のMTXの非経口的投与法(VanSkottらの方法).3)週1回,少量(12.5mg〜20mg)のMTXを内服し,その後,1週間の休薬期をおくRoenigkらの方法等がある.しかしながら,いずれの方法も量的,質的に問題があり種々の副作用を認めるため,その使用に関しては十分なる注意を必要とする.
 最近,Weinsteinらは,MTXの新しい治療法を報告し,重症乾癬症に対し著効を示すと共に,比較的,副作用が少い投与法を考案している.すなわち,この方法によれば,比較的少量(2.5mg〜5.0mg)のMTXを,12時間おきに3回内服させるもので,まず初回投与として,2.5mgを24時間はなして2回内服させ,その後異常反応の有無を確かめた上で,次の週より2.5mgを12時間おきに3回内服させ,以後,1週間休薬する方法である.その後,同様の投与法にて続行し,必要があれば,減量ないしは増量し,ある程度,皮疹の改善があれば,休薬期間を延長する.以上のWeinsteinらの方法による治療効果は,約70%の改善度とされ,多くの場合,4週間前後で皮疹の改善傾向を認め,2〜3カ月後には治癒すると報告している.しかも,他の投与法に比して,その副作用は非常に少いと報告されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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