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皮膚試験切除切片のオリエンテーション
著者: 佐藤良夫
所属機関:
ページ範囲:P.492 - P.492
文献購入ページに移動そこで切除切片のオリエンテーションについては,人それぞれ工夫をしている.最も普通に行なわれているのは,第一に切除皮片を直ちに乾いた濾紙に,切除基底面を下にして貼りつけ,鋏で余分な部分を切りとつて固定液に入れることである.固定間に,組織は収縮し,皮膚の材料はしばしば変形しやすく,丸まつたまま伸びなくなるので,ことに小さな材料や手掌,足底のような角質の厚い材料では,この注意を行なわないと立派な標本を作ることがむつかしくなる.小さな材料では濾紙面に垂直に包埋すれば,皮面に垂直な標本が得られることになるが,通常の材料ではホルマリン液固定12時間位してから,安全カミソリの刃で皮面に垂直に2等分し,その割面から切片を作製できるように包埋する.病変が腫瘍のときには,病変の広がりや浸潤を見るために,もちろん切除境界線まで含めた割を入れなければならない(図参照).
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