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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科27巻6号

1973年06月発行

文献概要

原著

ピオクタニン水溶液外用による皮膚障害

著者: 篠力1

所属機関: 1皮膚科篠医院

ページ範囲:P.515 - P.517

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 ピオクタニン青は1〜2%水溶液として,その強い殺菌力,乾燥作用の故に古くから膿痂疹,カンディダ性間擦疹等に愛用され,かつ安全性の高い外用剤として皮膚科だけでなく内科,小児科等の開業医が好んで用いている.しかし過度の塗布により表皮の壊死性変化がおこることには注意が必要である.ことに乳幼児の間擦部位や湿潤性病巣で分泌物,尿,糞便,汗等で塗布したピオクタニンが乾燥,被膜を作りにくい条件に加えて角層のbarrierが障害され頻回塗布によつて高濃度のピオクタニンが直接表皮細胞に接触することが発生条件と思われる.この変化は一種のtoxic reactionと考えられる.
 初発症状は塗布したピオクタニンが点々と紫色の点状に皮膚に残存する状態で,拡大して観察すると小びらん面である.
 予後は良好で通常塗布を中止すると比較的容易に治癒するが,潰瘍化した深い病巣では治癒が遷延することがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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