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原著
ノルウェー疥癬を伴なつた脳回転状皮膚の1例
著者: 吉井恵子12
所属機関: 1鹿児島市立病院皮膚科 2鹿児島大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.519 - P.523
文献購入ページに移動鱗屑を鏡検するに疥癬虫を多数みとめ,病理組織でも厚い角質層下に多数の疥癬虫体がみられ,虫体は毛のう深部にまで侵入しているのがうかがわれた.真皮においては炎症性変化以外著変は認められなかつた.チアントールにて治療開始後約3週間後には鱗屑・瘙痒ともに消失し軽度の紅斑をみるのみとなつたが,同時に皺襞,深溝も著明に軽減した.このことより本症を疥癬という炎症性刺激が誘因となつて生じた脳回転状皮膚(Fischerの分類第1群第1項)と考え報告した.なお内分泌系異常・精神異常等はみられなかつた.
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