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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科27巻7号

1973年07月発行

文献概要

綜説

膠原病

著者: 藤巻茂夫1

所属機関: 1新潟大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.557 - P.566

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 膠原病が唱えられて既に30数年,医学の急速な進歩に伴い,本病に対する見解も大きく変つてきた.Klemperer自身でもリウマチ熱と多発性動脈炎の原因に過敏症を認めながらも,膠原病に対するアレルギー説を反駁してきた.膠原病が流行しだしてから17年後,Klempererも自説をひろがえし,ヘマトキシリン体はDNAの低重合によるもという考えを捨てた.門下のGodman (1956)がLE細胞のメチール緑などによる組織化学的研究をやり,これは核の低重合によるものではなく,核と血漿タンパクとが結合したものであるというすばらしい成績をだした.その後HX体は核と血清のγグロブリンが結合したものであるという事実が免疫化学的に証明され,Godmanの説にはもはや疑いをさしはさむ余地がなくなつたのである.かくてSLEが多分自己免疫疾患であろうという本態観に対してKlempererは基礎的資料を提供したのである.
 それにしてもアレルギー説をあれほど否定し続けてきた彼には自己免疫を認めざるをえないとは何たる皮肉なことであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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