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皮膚癌の治療(3)—特に外科的治療
著者: 石原和之1 柳田英夫1
所属機関: 1国立がんセンター皮膚科
ページ範囲:P.715 - P.721
文献購入ページに移動 皮膚癌の治療にとつて外科的治療のしめる役割は大きい.しかしあくまでも皮膚癌という疾病を理解した上での外科的治療で,単純な切除やいわゆる形成外科的のものであつてはならない.われわれが診察を行なつた症例の中に,皮膚悪性腫瘍とは知らずに簡単に切除したり,火傷による潰瘍癌を単なる潰瘍として掻破の上植皮を施行したり,時に腫瘍そのものにメスを加えたり,ということが原因で増悪した症例にしばしば遭遇する.われわれが経験した既治療例(他院で治療を行ない再発または増悪したもの)の多くは,その初期に外科的治療を施行したものであることより,外科的治療は優れた方法であると同時に,一度誤れば最悪の状態を招来しかねないことを熟知すべきである.
最近,外科的技術を応用した治療,例えば抗癌剤の動脈持続注入法がかなりの効果を示しているが,これらについては化学療法において記載したい.本文では,手術単独,放射線との併用,抗癌剤との併用,あるいは3者併用などについて自験例について記載する.
最近,外科的技術を応用した治療,例えば抗癌剤の動脈持続注入法がかなりの効果を示しているが,これらについては化学療法において記載したい.本文では,手術単独,放射線との併用,抗癌剤との併用,あるいは3者併用などについて自験例について記載する.
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