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原著
成年期に発症した播種状色素性蕁麻疹の2例
著者: 日野治子1 古谷達孝1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院分院皮膚科
ページ範囲:P.755 - P.765
文献購入ページに移動 22歳,36歳時に発症した成年性播種状色素性蕁麻疹男性2例を報告し,併せて昭和35年以後に報告された17歳以上で発症した色素性蕁麻疹28例について文献的考察を行なった.
自験第1例では骨髄像で軽度の肥胖細胞増殖を見,同時にヒスタミン値の増加がみとめられた.
既報28例の文献的考察では,成年期に発症した本症はすべて病型分類的には多発播種型,個々の皮疹は斑紋結節型,組織像はRona型であつた.これら28例中には皮疹以外にリンパ節腫脹,肝腫大,骨X線像の変化等の病変を伴った症例が若干あつた.
本症の病因としては,遺伝説,母斑説,一種の組織反応説,腫瘍説等があり,今なお詳細は不明であるが,成年期に発症し,皮膚のみならず内臓病変をも併発している症例は全身性肥胖細胞腫である可能性が強く,このような症例では病変の経時的観察が必要であると思われた.
自験第1例では骨髄像で軽度の肥胖細胞増殖を見,同時にヒスタミン値の増加がみとめられた.
既報28例の文献的考察では,成年期に発症した本症はすべて病型分類的には多発播種型,個々の皮疹は斑紋結節型,組織像はRona型であつた.これら28例中には皮疹以外にリンパ節腫脹,肝腫大,骨X線像の変化等の病変を伴った症例が若干あつた.
本症の病因としては,遺伝説,母斑説,一種の組織反応説,腫瘍説等があり,今なお詳細は不明であるが,成年期に発症し,皮膚のみならず内臓病変をも併発している症例は全身性肥胖細胞腫である可能性が強く,このような症例では病変の経時的観察が必要であると思われた.
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