文献詳細
原著
文献概要
63歳,女子.発症以来2年余を経過しながら,病巣が口腔粘膜と頭頂部にのみ限局して見られ経過の良好な尋常性天疱瘡の症例を報告した.この様な皮疹が限局性の場合は,血中天疱瘡抗体が見られぬこと,また口腔粘膜疹の診断には生検を行うまでもなく細胞診(Tzanck test)が極めて有利な検査法であることを再確認した.患者は短期間ステロイド内服により,頭部の皮疹は消失したが,内服中止後は口腔びらんのみ再発を繰返しながら現在に至つている.
掲載誌情報