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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科28巻11号

1974年11月発行

文献概要

原著

リンパ管(広義)の管腔中にみられた赤血球ならびにその由来について

著者: 大熊守也1

所属機関: 1東京医科歯科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.761 - P.764

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 組織標本の管腔中に,赤血球がみられるからこれはリンパ管でなくて血管であるという議論をよく耳にするが,このことが必ずしも正しくないことを示す為に,次の実験的材料を検索した.即ち,A.生体組織内での病的変化による出血,B.組織中に溶液を注射する,C.組織片をメスで切り出す,以上三つの事柄の種々の組合わせを作り,1.A+B+C,2.B+C,3.B,4.A,B,Cいずれもないもの等の試料を光顕並びに電顕的に観察した.
 電顕的に基底板の欠如することにより,毛細リンパ管と同定された管腔中にも赤血球が存在し,その由来として,組織が病的変化を生検時以前に受けていない場合は,生検中に赤血球が結合組織部よりリンパ管腔中に取り込まれたものと思おれる.また結合組織部に赤血球が存在する原因の一つとして,生検時の局麻,あるいは,リンパ管拡張の目的で組織内に液を注入することが考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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