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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科28巻11号

1974年11月発行

文献概要

講座

皮膚の老化

著者: 小堀辰治1

所属機関: 1東京逓信病院皮膚科

ページ範囲:P.770 - P.779

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I.加令を示す器官としての皮膚
 江戸時代,尾張藩の重臣,横井也有が老化をあらわす7つの狂歌をよんでいる.それをここに記すると「しわはよる,ホクロはできる,背はかがむ,頭ははげる,毛は白くなる」,「手は震う,足はよろつく,歯は抜ける,耳は聞えず,目はうとくなる」,「よど(ヨダレ)たらす,目しるは絶えず,はなたらす,とりはずしては小便もるる」,「またしても同じうわさに孫自慢,達者自慢にわかきしやれごと」,「くどうなる,気短かになる,ケチになる,思いつくことみな古うなる」,「聞きたがる,死にともながる,さびしがる,出しやばりたがる,世話やきたがる」であるが,老化をあらわして誠に適切で,その中でも,最初の句は皮膚老化の諸徴候を端的に示している.
 皮膚科教科書をひもどくと,その皮膚生理の項に,保護作用,温熱調節作用などが列記してあるが,皮膚の作用にはこの外に,第二次性徴作用,加令表現作用があると著者は考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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