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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科28巻12号

1974年12月発行

原著

Melanoma neurocutaneeの1例とMelanoses neurocutaneesの文献的考察

著者: 中出毅1 石川巌1 荏原光夫1 中島利子2

所属機関: 1東邦大学医学部脳神経外科学教室 2東邦大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.831 - P.835

文献概要

 皮膚Melanoblastと神経周囲Melanoblastが同時に異常増殖をする状態をTouraineはMelanoma neurocutaneeと定義したが,中枢神経系に増殖したMelano-blastが悪性の傾向を有するめに,他臓器へは転移しない事が特徴的である.症例は24歳男子,全経過約1年半で死亡した.診断は表皮の色素性母斑と脳腫瘍症状であるが,他の脳腫瘍と術前に鑑別する事は困難である.他の脳腫瘍が脳水腫や痙攣初発の事は往々にしてあり,髄液の黄色調も脳室内腫瘍で普通に見られる.しかしながらそれ等に皮膚症状を加えると推定診断は易しいとも言える.
 我々は約70例の内外の文献を検討したが,欧米と本邦例を比較すると年齢,性別では大きな差を認める.性別の点では本邦例が少い為に,それが有意であるか否か判定しにくい.年齢では,先天的色素の差即ち白色,黄色の差が,アミノ酸代謝異常疾患と同様に存在するのかもしれない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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