icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科28巻3号

1974年03月発行

原著

Phialophora gougerotiiによる皮膚膿瘍

著者: 岡吉郎12

所属機関: 1長岡赤十字病院皮膚科 2新潟大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.209 - P.216

文献概要

 24歳,女子.SLEにてステロイドによる治療中.右手小指に難治性の皮膚膿瘍を,手指に皮下結節を生じ,培養により黒色真菌を得た.菌学的に検討し,若干の問題点はあるが,本菌をPh.gougerotiiと同定した.本菌が37℃で発育を示さないことから,温浴による治療を試み,指背の皮疹は完治した.しかし手背の皮下結節には効果なく,これは摘除した.Ph.gougerotiiによる疾患は稀であり,温浴が奏効したという報告はみられないので,ここに報告した.なおこの患者には難治性の爪カンジダ症,再発性の皮膚粘膜カンジダ症があり,またツ反陰性,DNCBテスト陰性など細胞性免疫の低下による真菌感染への抵抗性の減弱がうかがわれた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら