文献詳細
原著
文献概要
患者は26歳男子,沖縄県宮古伊良部島の出身で,約2カ月前より大阪の某工場に勤務している.インフルエンザの予防ワクチンをして頭痛,高熱を出して内科へ入院し,コルチコイド,抗生剤などの治療を受けていたところ,約2カ月のうちに怪異な形の角質塊が大腿部や腰部に生じた.
皮疹を生検したところ,ノルウェー疥癬と判明したが,治療する間もなく死亡した.本症発症の原因には種々の説があげられているが,その病像発現が内科的疾患およびその治療に大いに関係があると思われる症例で,免疫学的背景が考えられる.内科的には粟粒結核という免疫不全状態があり,さらにコルチコイドという免疫抑制剤が投与されて,短時日のうちにノルウェー疥癬の病像を完成したと考えられる症例である.
皮疹を生検したところ,ノルウェー疥癬と判明したが,治療する間もなく死亡した.本症発症の原因には種々の説があげられているが,その病像発現が内科的疾患およびその治療に大いに関係があると思われる症例で,免疫学的背景が考えられる.内科的には粟粒結核という免疫不全状態があり,さらにコルチコイドという免疫抑制剤が投与されて,短時日のうちにノルウェー疥癬の病像を完成したと考えられる症例である.
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