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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科28巻7号

1974年07月発行

文献概要

原著

ウイルス性皮膚疾患の電顕的脱落細胞診

著者: 長尾貞紀1 薗田紀江子1 我妻亜喜雄1

所属機関: 1福島県立医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.537 - P.542

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 数種のウイルス性皮膚疾患の皮疹より,水疱蓋,膿疱蓋,痂皮をピンセットで剥離し,これらをエポン包埋し超薄切片とし電顕的に観察したところ,手足口病をのぞいて,それぞれのウイルス粒子が高率に認められた.この方法は生検手技を用いずに簡単に材料を採取でき,かつウイルス粒子の発見率は高いので,ウイルス性皮膚疾患の診断,特にEczema herpeticumとEczema vaccinatumの鑑別診断に有力な方法であると思われる.この方法は脱落した細胞群を電顕的に観察する方法であり,ウイルス粒子の有無のみならず,細胞の変化も観察しうるので,電顕的脱落細胞診といえる.
 手足口病の表皮内封入体様物質のあるものは,電顕的に"fibrillarer Korper"に一致するものと思われた.また表皮内にウイルス粒子を確認出来ず,本法によつては手足口病の診断は他のウイルス性皮膚疾患よりも困難と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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