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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科28巻7号

1974年07月発行

原著

単発性Nevoxanthoendotheliomaの1例

著者: 滝野長平1 大熊守也1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.549 - P.554

文献概要

 8カ月男児の頭頂部に生じた単発例.6カ月頃米粒大の皮疹として初発し,漸次大きさを増して初診時には超豌豆大,更に2カ月後には桜実大となり,擦過傷を受け易いため全摘出を行つた.現在まで再発ならびに他部位への新生はみられていない.臨床所見・組織学的ならびに組織化学的所見から本症と診断したが,同時に行つた電顕所見も従来の記載に一致し,主体は組織球様細胞であるがランゲルハンス顆粒・ミエリン体の欠如することが確認された,この機会に本邦報告例を通覧し,主に単発型と多発型との比較を試みたが,単発型は13例でその頻度は全体の約1/6であり,単発型の多い欧米のそれとは全く異つた傾向を示した.また発症年齢・Cafe au lait spotsならびにレックリングハウゼン氏病の合併・血清コレステロール値などの点で両者に大きな違いがみられた.従つて単発型と多発型との間にはそれらの基盤になんらかの違いがあるものと推測された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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