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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科28巻8号

1974年08月発行

文献概要

原著

最近の皮膚カンジダ症—特にその感染源について

著者: 石井芳満1

所属機関: 1熊本大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.585 - P.588

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 従来稀といわれていた皮膚カンジダ症の増加が最近注目されてきた.その原因としてコルチコイド外用の乱用が考えられている.最近我々も入院中,ほぼ時を同じくして発症した皮膚カンジダ症を経験,院内感染を疑い,医師,看護婦の指掌,病棟浴室の浴槽水,各種軟膏,病室室内塵埃等についてカンジダの検出を試みたところ,軟膏類,室内塵埃等からは検出されなかつたが,医師,看護婦の手掌,浴槽よりそれぞれ40%と100%Candida albicansを検出した.これらカンジダは人体皮表由来であろうが,皮表に腐生するカンジダの増加が最近の免疫抑制剤,抗生物質,副腎皮質ホルモン剤の頻用による消化管floraの変化によるものと想像される.一方症例はいずれもコルチコイド外用にて治療中であり,皮膚カンジダ症の重要な感染源として浴槽水に加えて本症の発症進展にコルチコイド外用剤も主要な役割をなすものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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