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原著
最近の皮膚カンジダ症—特にその感染源について
著者: 石井芳満1
所属機関: 1熊本大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.585 - P.588
文献購入ページに移動 従来稀といわれていた皮膚カンジダ症の増加が最近注目されてきた.その原因としてコルチコイド外用の乱用が考えられている.最近我々も入院中,ほぼ時を同じくして発症した皮膚カンジダ症を経験,院内感染を疑い,医師,看護婦の指掌,病棟浴室の浴槽水,各種軟膏,病室室内塵埃等についてカンジダの検出を試みたところ,軟膏類,室内塵埃等からは検出されなかつたが,医師,看護婦の手掌,浴槽よりそれぞれ40%と100%Candida albicansを検出した.これらカンジダは人体皮表由来であろうが,皮表に腐生するカンジダの増加が最近の免疫抑制剤,抗生物質,副腎皮質ホルモン剤の頻用による消化管floraの変化によるものと想像される.一方症例はいずれもコルチコイド外用にて治療中であり,皮膚カンジダ症の重要な感染源として浴槽水に加えて本症の発症進展にコルチコイド外用剤も主要な役割をなすものと考えられた.
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