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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科28巻8号

1974年08月発行

文献概要

原著

悪性顆粒筋芽細胞腫

著者: 草場健二1 上田恵一1 松木正義1 外松茂太郎1

所属機関: 1京都府立医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.603 - P.609

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 45歳,家婦.10年前に子宮筋腫の剔出術を受けた.そのから右大腿の伸側中央の皮下に小指頭大の結節があり,次第に腫大し,4年前に剔出術を受けた.術後7カ月ごろに同部に腫瘤を生じ,右鼠径部にも腫瘤を多発して来た.指圧療法により増大し,大腿部の腫瘤は7×7cm径となり,半球状に隆起し,出血が著しいために来院した.
 腫瘤剔出後縫合線に沿つて腫瘤を多発し,鼠径部,回盲部にも多数の腫瘤がみられた.組織学的に,初診時では典型的な良性の顆粒筋芽細胞腫であつたが,再発時では核の異型性,多核細胞,分裂像などがみられた.
 本腫瘍を組織化学的ならびに電顕的に検索すると共に,本邦報告33例につき統許的に観察した.特に自験例では臨床的にも転移がみられた.組織学的に良性型から悪性化した,いわゆる悪性顆粒筋芽細胞腫であつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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