文献詳細
原著
文献概要
主として青森県の皮膚科勤務医,開業医および弘前市周辺の外科病医院に依頼して,皮膚腫瘍の集計を昭和47年11月から48年12月迄の約1年間にわたつて行なつたところ,皮膚科系から58症例61標本,外科系から31症例31標本,合計89症例92標本が得られた.男子41,女子46例,性別不明2例で,これらの標本につき病理組織検査を行なつたところ,上皮性良性腫瘍51,同悪性腫瘍7,非上皮性良性腫瘍30,同悪性腫瘍4例であつた.この中には比較的稀有な疾患も含まれており,さらに,悪性腫瘍の占める割合は12%であった,青森県主要病院における皮膚腫瘍摘出標本数を推定してみると,年問300例以上と,思われるが,皮膚科医の目に触れるものは約半数に過ぎず,残りの見捨てられた腫瘍をどうするかが,今後の問題であろう.
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