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原著
Solitary Juvenile Xanthogranuloma—成人例を含む5例について
著者: 浜田稔夫1 山本哲雄1
所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.29 - P.35
文献購入ページに移動 単発性のjuvenile xanthogranuloma (いわゆるnevoxanthoendothelioma)の5例を報告した.5例中1例は36歳♀,他の4例は2歳2カ月♀,5力月♂,4歳♀および3歳♀の乳幼児で,大きさは直径5mmより10mmまでの半球状に隆起した弾性硬の黄色ないし橙黄色腫瘤で,1例のみ表面が靡爛状で中央がやや陥凹Lている.血液生化学的検査を行なつた3例では血清脂質値はともに正常範囲内であつた.組織所見では真皮全層にわたり,主として組織球,泡沫細胞,時には線維芽細胞等からなり,多くのTouton型巨細胞もみられ,肉芽腫様性格が強い.陳旧性のものは線維芽細胞が増える傾向にある.単発性JXGは多発性に比し一般に大型の結節であるが,組織像では両者の間に差はない.cafe-au-laitspotsなどJXGに合併する所見ないし全身症状を示すのは文献例でも,ほとんどが多発例においてである.併せて成因,近縁諸疾患との関係などについて考察を加えた.
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