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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科29巻1号

1975年01月発行

連載 皮膚科学に貢献した医学者たち・19

外陰クラウロージス(その1)

著者: 高橋吉定

ページ範囲:P.64 - P.69

文献概要

1.はじめに
 "クラウロージス"とかな書きだけにすると,何のことか初めは戸惑いするかもしれないが,これは"kraurosis"のことであり,この語の和訳についていささか考えてみたいのである.
 現行の本邦皮膚科学教科書には,いずれもkraurosisは"萎縮症"と訳されているが,萎縮ないし萎縮症を表わす一般的な用語"atrophia"とは意味を異にするのである.もつとも多く使われるKraurosis vulvaeは,なるほど一種の萎縮症ではあるが,この萎縮はたいてい白斑を随伴し,さらに重要なのは硬化を生ずることであり,ついには特徴的な収縮を起こす一つの症候群である.これを皮膚科的には単なる萎縮症である,たとえば"老人性萎縮(Atro—phia senilis)"と比較するならば,その差異はおのずから明らかである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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