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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科29巻10号

1975年10月発行

原著

凍瘡を合併せる続発性肥大性骨骨膜症(仮称)

著者: 喜多野征夫1

所属機関: 1大阪大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.867 - P.873

文献概要

 1939年,中条が凍瘡を合併せる続発性肥大性骨骨膜症という名称で,血族結婚の両親から生まれた兄妹に発生した疾患を報告した.以来8例の同様症例の報告が見られる.著者はこの稀有と思われる疾患を3例経験したのでその臨床像を記録にとどめるとともに過去の報告例とあわせて考察を加えた.本疾患は常染色体性劣性遺伝性疾患で幼少時に発症する.初発症状は凍瘡あるいは結節性紅斑である.手指は長く太く節くれだつて,指関節の運動性は次第に障害され,終には拘縮を来す.上半身の痩削が年齢と共に進行する.本疾患に付けられた病名は全て続発性肥大性骨骨膜症を強調しているが,骨膜肥厚の証明されている症例は半数に満たず,骨膜肥厚の原因と考えられる心肺系の異常の証明されている症例はさらに少ない.貧血,赤沈促進,γ—globulinの増加は全例に見られる.寒冷負荷により紅斑が発生する.紅斑の組織像は真皮深層から皮下脂肪織にかけての血管炎である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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