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原著
汗孔角化症の臨床疫学的検討(II)
著者: 筏淳二1
所属機関: 1京都府立医科大学皮膚科教室
ページ範囲:P.879 - P.883
文献購入ページに移動 本症の全身型,不全型の疹分布と痘瘡の特徴的分布とはほぼ一致した.散布型,列序型では初発疹,完成疹の出現は右上肢に比べて左上肢に少なく,さらに列序型では左側発症例は5歳までに好発し,5歳以後では右側に頻発する傾向をみた.この奇異な疹分布は,種痘による局所皮膚免疫が成立している部位に本症に対する発症抑制因子があると仮定することにより説明できた.この種痘によると考えられる病像の修飾は,前報の結果などを勘案して,ウイルス間の非特異的な干渉現象というより免疫現象であろうと解釈した.そこで痘瘡,ワクチニアウイルス感染で明らかにされている防御因子を援用して本症病型の成因について推論し,そして本症をワクチニアウイルスによるslow virus infectionとする仮説を述べた.
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