文献詳細
原著
文献概要
激痒を伴つた再発性水疱形成が,9年来みられた47歳女子の症例を報告した.水疱は,躯幹・四肢にみられ,紅斑状に環状に配列する比較的小型のもので,検査上,軽度の好酸球増多,ヨードカリ貼布試験陽性で,ジューリング疱疹状皮膚炎を疑わせるものであつた.皮膚生検像で,棘融解性水疱を認め,また,血中に,抗細胞間物質抗体を検出しえた.文献上,"acantholytic herpetiform dermatitis"あるいは,"mixed bullous disease"に相当する症例と考えられるが,あえてその名称を用いず,天疱瘡の亜型にすぎぬものと考えた.
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