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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科29巻11号

1975年11月発行

文献概要

原著

5-Bromouracil Deoxyriboside(BUDR)および5-Fluorouracilによる中毒疹型薬疹

著者: 東順子1 須貝哲郎1

所属機関: 1大阪回生病院皮膚科

ページ範囲:P.965 - P.969

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 右上顎癌の治療にBUDR-antimetabolites-continuous intra-arterial infusion radiation therapy(BAR療法),すなわち放射線増感剤である5-bromo−2'-deoxyuridine(BUDR),5-FU持続動注,Co療法開始約2週後より,スティブンス・ジョンソン症候群を生じた64歳,女の症例を報告した.組織学的には,表皮基底層の液化変性,Civatte小体の出現を主とし,表皮型多形紅斑の像に一致した.誘発テストによりBUDR,5-FUともに陽性で,再現された皮疹は,両者とも同じものであつた.両薬剤は,化学構造上非常に類似している.すなわち両薬剤はpyrimidine誘導体であり,ともにuracil環を有し,5の位置にBUDRはBr,5-FUはFのハロゲンと結合している.このことから本症例は同時に両薬剤が使用されてはいたが,交叉反応によるものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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