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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科29巻11号

1975年11月発行

文献概要

原著

成人水痘と帯状疱疹の臨床疫学的考察

著者: 筏淳二1 加賀美潔1 佐藤みち子1

所属機関: 1京都府立医科大学皮膚科教室

ページ範囲:P.971 - P.976

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 成人水痘例を本邦文献と当科受診者から,帯状疱疹例を当科受診者から選びだした.発症年齢分布では両症例ともにピークを20歳前後に認めた.これらの年齢分布は20歳前後にその反応性が最高に達するT cellが両症の発症に関与することを示唆するとも解釈できよう.
 水痘の既往があり,帯状の疹を伴わないatypical generalized zoster (Schimpff)では疹が体幹より四肢に多く,肺炎を併発している.同様の疹分布を成人水痘でもまれならずみた.そこで疹の異常分布,水痘肺炎の発症機序を異型麻疹や痘瘡におけるアレルギー反応の知見から類推した.そして水痘では気道のIgAを刺激しない自然感染様式が存在すると想定され,後に経気道的に再感染を受けた場合にはアレルギー性肺炎を起こし,疹も免疫により修飾される可能性があるといえた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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