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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科29巻11号

1975年11月発行

原著

亜鉛内服が奏効した腸性肢端皮膚炎の1例

著者: 森嶋隆文1 八木茂1 桑原京介1 辻口喜明1 遠藤幹夫1

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.991 - P.997

文献概要

 1歳8カ月以来,腸性肢端皮膚炎の診断のもとにEnterovioformで加療するも寛解,増悪を繰返していた10歳,男児例に亜鉛療法を試み,著効をえたので,自験例の概要を記すとともに亜鉛療法および亜鉛代謝につき簡述した.腸性肢端皮膚炎例では血清亜鉛値は著しく低値を示し,硫酸亜鉛内服によつて亜鉛値が補正されるとともに肢端部や開口部の皮疹および胃腸症状は消失し,毛や爪の再生も顕著となる.豚,子羊や子牛の亜鉛欠乏症による症状は腸性肢端皮膚炎のそれに酷似し,また亜鉛欠乏を招来しうる基礎疾患を欠くことから,亜鉛欠乏が腸性肢端皮膚炎の発症に重要な意義を有するものと推測した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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