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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科29巻11号

1975年11月発行

薬剤

尋常性白斑に対するTrimethylpsoralenの大量内服療法

著者: 伊藤裕喜1

所属機関: 1日本専売公社東京病院皮膚科

ページ範囲:P.1015 - P.1019

文献概要

 今日,尋常性白斑の治療に関して,特にその色素再生に関しては,Furocoumarin系薬剤の示す光毒性反応を利用する方法が最も効果ある方法として広く実施されている.そのなかでも,8-methoxypsoralen(以下8-MOPと略す)と4,5',8-Trimethylpsoralen(以下TMPと略す)が臨床に供されているが,前者は1947年にFahmyら1)によつて天然物から分離され,El Mofty2)が最初の治験報告をしたものであり,後者はPaul B. Elder社において合成されFitzpatrikら3)によりその効果が確かめられたものである.8-MOPは大人20mg,小児10mgを,TMPは大人10mg,小児5mgを常用量とし,内服2時間後に長波長紫外線を白斑病巣に照射するものであるが,8-MOPが時として悪心,嘔吐,頭重感などの副作用があるのに対し,TMPはこれらの副作用がなく,内服しやすいために重用されている.しかし,その治療効果は如何であろうか.8-MOPは尋常性白斑の治療に用いられはじめてからすでに25年たつており,その効果は一応充分に認められているといつてよいと考えられる中これに対しTMPはまだ10年と日が浅く,また消化管からの吸収に問題があるとされている.TMPは大人10mg,子供5mgが我国では常用量とされているが,Fitzpatrickら3)は1日20mgを用いて常用量における治療効果より,よりよい効果があげられるとしており,著者もここでTMPの大量使用による治療効果,副作用の有無,更にはこれ迄の治療成績との比較などを試みてみた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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