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綜説
潰瘍を伴うLivedo病変とその周辺
著者: 斉藤隆三1 伊勢信子1
所属機関: 1北里大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.1035 - P.1041
文献購入ページに移動 皮膚の網の目状紅斑,すなわちLivedo病変は,その臨床的,組織学的所見より,Cutis marmora—ta, Livedo reticularis, Livedo racemosaに分けられる.これらは真皮と皮下組織との境界部で小動脈の緊張亢進と静脈側での緊張低下の状態で皮疹として現われるが,主として臨床的名称であるため英米系では厳密に区別して使用しているとは限らず,Livedo racemosaをLivedo reticularisの同義語として用いる傾向にある.
一方,Livedo病変の潰瘍化は必ずしも稀ではなく,動脈の閉塞性変化が強い場合に潰瘍形成を来たし易いとされている.われわれは,4年来夏季のみに潰瘍形成をみ,冬季には潰瘍も軽快する特発性のLivedo患者の1例を経験したのでそれを報告すると共に,Livedo vasculitis, Atrophieblancheとも合わせ,Livedo病変の潰瘍形成について若干の考察を加えたい.
一方,Livedo病変の潰瘍化は必ずしも稀ではなく,動脈の閉塞性変化が強い場合に潰瘍形成を来たし易いとされている.われわれは,4年来夏季のみに潰瘍形成をみ,冬季には潰瘍も軽快する特発性のLivedo患者の1例を経験したのでそれを報告すると共に,Livedo vasculitis, Atrophieblancheとも合わせ,Livedo病変の潰瘍形成について若干の考察を加えたい.
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