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原著
糖尿病を合併し,深膿痂疹様皮疹および壊疽性膿皮症様皮疹を合併したBehcet病の1例
著者: 山田真理子1 吉田彦太郎1
所属機関: 1岡山大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.1067 - P.1072
文献購入ページに移動要約 48歳男子のBehcet病(不全型)の1例を報告した.この症例は糖尿病を合併し,深膿痂疹様潰瘍,痤瘡様発疹,陰部潰瘍,深い口腔内潰瘍を有し,針反応も陽性を示した.しかし眼症状はない.また肝障害,血沈の促進,クリオフィブリノーゲン血症,血清銅の増加などがみられ,副腎皮質ホルモンとともに抗生物質も有効であつた.
深膿痂疹様潰瘍,口腔粘膜は糖尿病の改善とともに軽快したが,やがて素手でガラス微粒子をとりあつかう作業を契機として両手背,前腕に壊疽性膿皮症様皮疹をきたした.
以上の多彩な合併症,皮膚症状,異常検査所見および壊疽性膿皮症との異同について考察し,糖尿病により皮膚症状が修飾される可能性およびBehcet病とPyoderma gangrenosumとはきわめて近似の疾患であるが,現段階では一応別症とするべきであることなどを指摘した.
深膿痂疹様潰瘍,口腔粘膜は糖尿病の改善とともに軽快したが,やがて素手でガラス微粒子をとりあつかう作業を契機として両手背,前腕に壊疽性膿皮症様皮疹をきたした.
以上の多彩な合併症,皮膚症状,異常検査所見および壊疽性膿皮症との異同について考察し,糖尿病により皮膚症状が修飾される可能性およびBehcet病とPyoderma gangrenosumとはきわめて近似の疾患であるが,現段階では一応別症とするべきであることなどを指摘した.
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