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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科29巻2号

1975年02月発行

文献概要

原著

Keratosis punctata palmaris et plantarisの1例

著者: 手塚正1 大熊守也1 木村秀子1 広瀬至1

所属機関: 1東京医科歯科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.97 - P.104

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 71歳男.初診:昭和48年5月9日.既往歴:2年前より尋常性乾癬に罹患.砒素剤を内服したことなし.現病歴:約3年前より手掌・足蹠・指趾腹に半米粒大までの角化局面多発,歩行時に疹痛をおぼえたことあり.現症:両側掌・蹠・指趾腹に微小な陥凹多発し,いずれも皮膚紋理隆線に一致している.このほか半米粒大までの角化局面あり,中心に角栓を入れる.角栓の除去によりカラー状の角質で囲まれた小陥凹が生じた.発汗試験でこれらの小陥凹に発汗は認められなかつた.組織学的に逆円錐状ないし柱状のParakeratose塊(Feulgen陽性)が中心にあり表皮は菲薄化し,真皮の炎症症状を欠く.連続切片(水平,垂直2方向)で汗管はこのParakeratose塊を貫通しているが,角層上部で閉塞像が認められた.治療:5%サルチル酸ワゼリン及び0.1%ビタミンA酸吸水軟膏が有効であつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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