icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科29巻5号

1975年05月発行

文献概要

綜説

皮脂の生化学

著者: 猪股成美1

所属機関: 1新潟大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.349 - P.357

文献購入ページに移動
 脂腺細胞で生合成され,排泄される脂質を皮脂という.しかし脂腺は全分泌腺であるため,脂質を合成する細胞そのものも自壊排泄される.したがつて種々の細胞成分脂質が混入する.新生皮脂は脂腺導管,毛包漏斗部を通過して皮表へ出るが,その過程でリパーゼの作用を受けて組成に変化が生ずる.また脂腺経由で排出される物質も皮脂に混入することは当然のことと考えられる(塩化ビフェニールなど).
 このように複雑な諸因子が介在するなかで,新生皮脂のみを純粋に抽出し,その組成,構造を化学的に決定し,生合成を追求することは極めて困難である.そのため皮脂の研究には,皮表脂質,皮脂様脂質(胎脂vernix caseosa,毛嚢嚢腫などの脂質)あるいは表皮,角質脂質などが対象とされ,比較検討のうえ組成,構造,生合成経路が推定されてきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら