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連載 皮膚科学に貢献した医学者たち・23
末梢血管拡張性肉芽腫
著者: 高橋吉定
所属機関:
ページ範囲:P.414 - P.417
文献購入ページに移動末梢血管拡張性肉芽腫は,化膿性肉芽腫(granuloma pyogenicum)とか,有茎性肉芽腫(granulomapediculatum)とかの別名もあるが,これらは後にできた名称で,初めはドイツ語でボトリオミコーゼ(Bo—tryomykose)といわれた.人間における本症はフランスのポンセの命名にかかわるが,彼が人間においてこの皮膚病を見た数年前に,馬における同様の疾患にボトリオミコーゼの名が与えられていたのである.当時,馬における本症はボトリオミセス属(Botryomyces)の菌によつて生ずると信じられたので,上記の病名が作られたのである.現今,この属は微生物の分類からは抹消されていて,実際の内容は不明である.馬に発生した本症にbotryomycosisequiの名があるのに対し,人間の本症はbotryomycosis hominisともいい,ポンセの論文には後者の意味の名称が使われている.
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