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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科29巻6号

1975年06月発行

原著

糖尿病の皮膚病変—2.多彩な皮膚症状を呈した1例について

著者: 北村啓次郎1

所属機関: 1慶応大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.491 - P.497

文献概要

 31歳男子会社員,両足亀裂角化にはじまり,下腿潰瘍,全身皮膚の乾燥および色素沈着,膝,肘の角化肥厚,下腿伸側の褐色萎縮斑,右上腕の水疱形成など多彩な皮膚症状を呈し,長期にわたり一進一退の経過をとつている糖尿病の1例を報告した.
 これら多彩な皮疹の病因として,全身皮膚のmicroangiopathyおよび慢性の栄養障害を考え,それらに加え種々の外的および内的環境,刺激の違いにより皮疹が多様化すると考えた.また,本例に見られる如き水疱もBullosis diabeticorumの1型と考え,その水疱は表皮の栄養障害による表皮細胞の空胞化,微小水疱形成にはじまる表皮内水疱とみなし,発症誘因として軽度の外的刺激を考えた.
 さらに膝,肘,踵などの角化肥厚傾向の機序についても同様の内的および外的病因を考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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