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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科29巻7号

1975年07月発行

綜説

アトピー性皮膚炎と皮表脂質

著者: 松尾聿朗1 籏野倫1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.533 - P.537

文献概要

 アトピー性皮膚炎の発症機序に関しては,アレルギー方面からの検索がさかんであるが未だ総てが明らかにされたとは言えない1).その一つの考え方として,アトピー皮膚特有の皮膚素因を主視し,これに各種の刺激が加わつて発症するとする考え方がある.すなわち増田2)は,アトピー皮膚における皮脂分泌障害,汗排泄障害による乾燥皮膚をアトピー性皮膚炎素因の一つとしてあげ,これに一次性刺激因子,接触抗原などが加わつてアトピー性皮膚炎が発症するとしている.
 そこで,はたして従来より注目されている如く,アトピー皮膚において皮脂分泌障害があり,皮表脂質が量的および質的に正常対照群に比べ特異的に差があるのかどうか,差があるとすればその皮表脂質異常がアトピー性皮膚炎の素因となり得るのかどうか等につき,従来の報告に我々の知見を加えて一つの考え方を述べてみたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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