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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科29巻8号

1975年08月発行

文献概要

原著

色素細胞母斑上に生じた悪性黒色腫について

著者: 森嶋隆文1 遠藤幹夫1 今川一郎1 森岡貞雄1

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.657 - P.662

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 生下時から右下腹部に存していた手掌大の,病理組織学的に真皮内母斑を示す色素細胞母斑病巣の1部から悪性黒色腫の発生をみた23歳の男子例を報告した.悪性黒色腫の発生母地としての色素性母斑の多くは巨大色素性母斑を除けば,臨床的に遅発性の黒色小色素斑を呈するものと考えられるが,自験例の如く,生来性の局面をなす色素細胞母斑病巣からも悪性黒色腫が発生しうることをのべた.本例における悪性化の初発部位は色素細胞母斑病巣の表皮・真皮境界部であろうと推測されたが,かかる変化がかつて存した複合母斑の境界部活性,真皮内母斑の被覆表皮にみられるメラニン産生細胞あるいは真皮内母斑の被覆長皮に新らたに形成された境界部活性等のいずれに基づくかは判然としない,しかし,真皮内母斑であつても何らかの誘因が加わると,被覆表皮に境界部活性が新生しうるとの可能性について論じた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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