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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科29巻8号

1975年08月発行

原著

エクリン汗嚢腫—稗粒腫とTrichostasis Spinulosaを伴なう1例

著者: 古沢範子1

所属機関: 1新潟大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.663 - P.669

文献概要

 38歳,男子にみられたエクリン汗嚢腫の1例を報告した.この症例は同一組織標本上に稗粒腫とtrichostasis spinulosaを相伴なつて認められた.連続切片による組織学的検索から,汗嚢腫,稗粒腫いずれもエクリン汗管由来のものであることが確認された.また汗嚢腫とそれに入り込む下方からの汗管との連絡像に興味ある所見が認められた.
 わが国では,これまでに32例のエクリン汗嚢腫が報告されているが,自験例を合わせ,これらを総括した.そして組織学的所見より,汗嚢腫は汗管の拡張嚢腫であることは疑いなく,その発症の根底に毛嚢脂腺系の先天異常が関係していると推定した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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