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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科29巻9号

1975年09月発行

文献概要

原著

キダチアロエによる接触皮膚炎の1例

著者: 庄司昭伸1

所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.761 - P.763

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要約 アロエは一般に"医者いらず","薬サボテン"の名で知られている植物で,民間ではこの汁液を内服して下剤に,外用して熱傷や擦過傷などの小さな外傷の治療薬として用いている.患者は66歳,男,初診,昭和48年3月26日.約7カ月来,右肩に瘙痒性皮疹が発生し,医治に抗し治癒しなかつたため,20日前からキダチアロエの汁液を塗布したが,かえつて増悪した.初診時,右肩,腰腹部,四肢に丘疹および落屑性紅色面を紹めた.パッチテストの結果,キダチアロエの汁液で陽性所見をえた.しかし,著者を含めた人の正常人皮膚では全例においてパッチテスト陰性であつたので,キダチアロエの汁液は一次刺激性は弱いと判断した.したがつて,本症例はキダチアロエによるアレルギー性の接触皮膚炎と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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