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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科29巻9号

1975年09月発行

文献概要

原著

隆起性皮膚線維肉腫—特に形態的観察とマクロファージ遊走阻止試験

著者: 堀嘉昭1 宮沢七郎1 斉藤隆三1 新井春枝1 鎌田直子1

所属機関: 1北里大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.769 - P.776

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 隆起性皮膚線維肉腫は皮膚に限局性に生じ,局所的に悪性の腫瘍である.この腫瘍の腫瘍細胞の起源については未だ議論もあるが,3例の隆起性皮膚線維肉腫の形態学的観察で悪性線維芽細胞の増殖とみられる.3例の中1例では,腫瘍の一部より軟い球状の突出をみた.この部分の腫瘍細胞は特に異型性が著しく,他の部分の腫瘍細胞で線維形成が認められるのに対して,線維形成は殆んど認められなかつた.また,これら3例でマクロファージ遊走阻止試験(MIT)を行つたところ,2例では切除時陽性であつたマクロファージ遊走阻止現象が,切除後陰性となつた.
 悪性腫瘍の診断,予後の判定に,このMlTを応用することの可能性について論じた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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