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原著
血管肉腫
著者: 赤井昭1 追手比佐子1
所属機関: 1県立ガンセンター新潟病院
ページ範囲:P.795 - P.801
文献購入ページに移動 42歳女子の頭皮に原発したと考える血管肉腫について報告した.全経過約11カ月.剖検により肺・肝に転移巣があり,そこからの出血が死亡の主な原因と思われた.原発巣は拡大している辺縁部に僅かの紅斑性浮腫を持つた浸潤硬化性局面で,中心部は壊死に陥つていた.再発皮膚病巣ならびに肺・肝の転移巣は強く出血性で血管系の腫瘍らしい外観を示していた.光顕組織学的に細胞の悪性像は生検時から明瞭であつたが,組織構成は原発巣ではいわゆる紡錘形細胞肉腫様の像が主体をなし,再発および転移病巣では脈管様構造が明瞭に認められた.電顕的に腫瘍細胞の主体は血管内皮細胞と思われた.病巣は放射線に感受性を示すが,ことに患部が被髪頭皮の場合には早期発見および病巣範囲の判定が困難であり,これが本症の予後を不良ならしめている一因と考える.
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