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文献概要
原著
汗孔角化症の臨床疫学的検討(I)
著者: 筏淳二1
所属機関: 1京都府立医科大学皮膚科教室
ページ範囲:P.803 - P.807
文献購入ページに移動要約 本邦人例を文献から集め,散布型,列序型,単発型に,散布型をさらに分布範囲から全身型,不全型,局部型に分類した.列序型では5歳までに好発し,家族内発症はまれであつた.全身型では10歳代後半に初発することが多く,約半教で家族に同症をみた.散布型の3亜型間では疹の分布範囲により性比,家族内発症率,潮紅・瘙痒出現率は秩序をもち減少した.家族内発症を伴う例の発症年齢は全身型より不全型で早かつた.そこで散布疹の分布範囲は宿主感受性因子の強弱に基づくと類推した.ツ反応は高率に抑制され,梅毒血清反応陽性率が高く,BFPを疑つた.これら異常反応,特異な疹分布などから病因としてポックスウイルスを想定した.本症と痘瘡との間に組織学的類似性があり,また散布疹と感受性因子との関連は痘瘡における同様の知見に対応すると考えた.
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