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総説
クリオフィブリノーゲン血症
著者: 島田義昌1
所属機関: 1北里大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.9 - P.15
文献購入ページに移動 血液蛋白が低温下において沈降を起こす疾患としては,クリオグロブリン血症とクリオフィブリノーゲン血症が知られている.前者の沈降体は免疫グロブリンであり,免疫異常によつて発生する.後者の沈降体はフィブリノーゲンであり,血液凝固異常によつて発生する.両疾患とも,血液蛋白が低温下で沈降を起こすので,血管障害,循環障害,寒冷過敏症状,出血症状,潰瘍壊疽症状,その他を発生するが,著者がここで論ずるのは,クリオフィブリノーゲン血症についてである.クリオフィブリノーゲン血症は決して稀な疾患ではなく,特に皮膚科とは関係の深い症状を発生する.それなのに日常診療では殆ど注意されていない.著者はこれまで,クリオフィブリノーゲンの発生機序について実験的検討を加えていたが,いくつかの知見を得たので,この知見を中心にして,クリオフィブリノーゲン血症に関する綜説的考察を試みることにする.
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