文献詳細
原著
文献概要
要約 20歳でRaynaud現象をもつて発症し,徐々に皮膚の硬化,指趾の壊疽,嚥下困難,呼吸困難などを来たし,ついには高度の栄養不良状態を来たして32歳で死亡した全身性強皮症の女子例.末期のるいそうと衰弱は,消化管系統の硬化萎縮性変化の進行による摂食・嚥下困難と消化・吸収障害などによるものと考えられた.検査所見上では,抗核抗体陽性,レ線学的にhoneycomb lung状態と十二指腸のloop sign,末期の高度の貧血と低栄養状態が注目された.剖検により,1)食道から大腸に至る消化管の筋萎縮と線維化,2)肺の高度の間質性線維化と大小の嚢胞形成を示す典型的なhoneycomb lungの状態,3)右室肥大と心筋の巣状の萎縮線維化,4)脾臓沪胞動脈のonion skin lesion,5)全身末梢血管壁の線維性肥厚と内腔狭窄,6)皮膚では表皮の高度の萎縮と真皮結合織の硬化など本症の典型的な諸変化が見出された.
文献的に全身性強皮症の内臓病変と死因等につき検討を加えた.
文献的に全身性強皮症の内臓病変と死因等につき検討を加えた.
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