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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科30巻10号

1976年10月発行

文献概要

綜説

Sjogren症候群—紅斑を主訴とした1例を中心にして

著者: 加茂紘一郎1 長島正治1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.761 - P.771

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 Sjogren症候群は,1933年Sjogren43)が進行性眼球乾燥症に関する従来の知見をまとめて記載したことに始り,Grosz16)がSjogren症候群の名称を与えた疾患である.本症は乾燥性角結膜炎(keratoconjunctivitis sicca, dry eye)及び口内乾燥症(xerostomia, dry mouth)のいわゆるsicca syn—dromeを主徴とし,従来はリウマチ様関節炎(R.A.)の合併頻度が高いものとされてきた.本症に対しGougerot-Houwer-Sjogren症候群42),Sjogren-Mikulicz症候群30—a)のあるいは単にsiccasyndromeという呼称もあるがいずれも同一の疾患をさしている.
 本症に合併する疾患としては,R.A.が多いとされていたが3,30—a),症例の増加とともに全身性紅斑性狼瘡(S.L.E.)1,26),全身性強皮症(P.S.S.)2,57),多発性筋炎(P.M.)8),潰瘍性大腸炎10),サルコイドーシス66)あるいは橋本病21,44,45,55)等,R.A.以外の自己免疫疾患の合併も少なくないことが明らかになつてきた.殊に最近では橋本病との関連性が強調されつつある45,63).なおSjogren症候群とその合併症との相関については一般に図1(浅川3))のように理解されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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