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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科30巻10号

1976年10月発行

文献概要

原著

免疫学的異常を伴なつたLichen Myxedematosusの1例

著者: 穐山富雄1 堀真1 山浦英明1 力丸正治1 高橋勇1 笹岡和夫2 計屋隆子3 山之内夘一3

所属機関: 1長崎大学医学部皮膚科学教室 2長崎市民病院皮膚科 3長崎大学眼科学教室

ページ範囲:P.785 - P.789

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 33歳,男子.顔面,胸部,背部,肩および上腕部に板状の浸潤,肥厚と皮下硬結をみとめ,一部のものでは表面は丘疹状ないし小結節状であつた.経過中,関節痛,発熱,眼症状を伴ない,検査成績では甲状腺機能,骨髄所見は正常であつたが,細胞性免疫能の低下,補体第Ⅲ成分の減少,抗核抗体陽性などの免疫学的異常をみとめた.組織学的に線維芽細胞の増加をみとめ,組織化学的にヒアルロン酸の沈着を証明し,lichen myxedematosusと診断した.現在,ステロイド内服により,皮疹を含め全症状は消失し,経過観察中である.
 われわれが調べた限りでは,自験例のような免疫異常を伴なうlichen myxedematosusの報告は見当らない.本疾患と免疫異常との関連性について若干の考察を行なつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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