文献詳細
原著
文献概要
4歳時以来,腸性肢端皮膚炎の診断のもとにキノホルム製剤で加療するも寛解・増悪を繰返していた20歳,女性例に亜鉛療法を試みて著効をえた.そこで,1年間にわたる治療経過の概要を,殊に硫酸亜鉛内服の量・期間と臨床像・検査成績との相関・必須金属間との拮抗などに主眼をおいて記した.毛色異常は本症の1症状であることを確認するとともに,休薬によつて血清亜鉛値が20μg/dl以下に下降した時点から約1カ月後に再発がみられること,ならびに胃腸障害や血清鉄の低下を除けば重篤な副作用はみられないことを知つた.
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