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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科30巻11号

1976年11月発行

文献概要

原著

皮膚の細網肉腫—本邦報告92例の統計的観察

著者: 吉江治彦1

所属機関: 1信州大学医学部及膚科学教室

ページ範囲:P.905 - P.913

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 皮膚原発細網肉腫の2症例を報告,更に皮膚に細網肉腫の出現をみた本邦例を文献より集計,臨床経過により次の5型に分類した.皮膚初発Ⅰ型(皮膚腫瘍単発),皮膚初発Ⅱ型(皮膚腫瘍多発),皮膚初発Ⅲ型(多発性皮膚腫瘍とリンパ節腫が同時に出現),リンパ節初発,その他臓器初発.以上の各病型をリンパ性細網肉腫(リンパ節原発細網肉腫)と比較検討した.皮膚初発I型は従来の皮膚原発細網肉腫単中心型に相当し,年齢,性,腫瘍の進展形式,白血化,予後などがリンパ性細網肉腫とは異なり,皮膚原発細網肉腫と呼ぶにふさわしい.皮膚初発Ⅱ型とⅢ型は同一型であり,従来の皮膚原発細網肉腫多中心型に相当するが,その性格はリンパ性細網肉腫により近い.しかし,病初より皮膚腫瘍が多発経過中に白血化が高頻度に出現,予後が非常に悪いことなどから,リンパ節原発と断言できない特殊な病型であり,皮膚親和性のあるリンパ性細網肉腫と解釈した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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