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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科30巻12号

1976年12月発行

文献概要

原著

乳房外ページェット病の1例

著者: 江上和也1 石野八州子1 前島和樹1 堀真1 西本勝太郎1

所属機関: 1長崎大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.985 - P.990

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 72歳の男性の外陰部に生じた乳房外ページェット病の1例について報告するとともに,ページェット細胞の電顕的所見を中心に若干の文献的考察をおこなつた.
 病理組織学的には,ほぼ表皮基底層に一致して,周辺の有棘細胞にくらべ大型で明るい細胞質を有するページェット細胞が多数みられた.ページェット細胞はジアスターゼ抵抗PAS陽性,アルシャンブルー染色陽性であつた.
 電顕的にはページェット細胞は,ほぼ次の如き所見を呈した.1)ページェット細胞は大型で,電子密度の低い細胞質を有する.2)トノフィラメントはほとんどみられない.3)デスモゾームの発育が悪い.4)小胞体,ミトコンドリア,グリコーゲン顆粒を細胞質に多数みとめる.5)ゴルヂ装置の発育が良好である.6)分泌顆粒と思われるものをみとめる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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