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原著
乾癬治療中に発生した扁平上皮癌の2例
著者: 土井福子1 稲田修一1 妹尾浩一1 地土井嚢璽1 卜部康道2
所属機関: 1広島大学皮膚科教室 2広島記念病院皮膚科
ページ範囲:P.991 - P.996
文献購入ページに移動2症例とも20年来ほぼ全身に乾癬病巣があり,第1症例はタール剤の外用7年間,限界線照射を約10年間受け,第2症例はタール剤の外用1年間,限界線照射約10年間受けていた.
本邦において,乾癬に併発した扁平上皮癌の報告は,過去30年間我々が検索しえた限りでは2例のみであつた.乾癬病巣と扁平上皮癌の発生に関して,1)扁平上皮癌が乾癬病巣部に偶然に一致して発生した.2)乾癬の治療によつて扁平上皮癌が発生した.3)乾癬病巣が直接癌化したの3つの可能性について,本邦報告例2例と我々の症例2例の計4例について検討し,我々の2症例は,発癌因子として限界線照射の関与がより強いと考えた.
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