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原著
グロムス腫瘍の2例
著者: 森下玲子1 阿世知節夫1
所属機関: 1鹿児島市立病院皮膚科
ページ範囲:P.997 - P.1005
文献購入ページに移動 54歳,男子,左肘頭部,24歳,男子,右第Ⅲ指爪床部の単発型グロムス腫瘍2例を報告した.また集録しえた本邦報告例180例について,その統計的考察を加えた.すなわち,単発型160例,多発型20例で,単発型の発生部位は,上肢にもつとも多く103例,なかでも指が77例で単発型の大半を占めている.皮膚以外にも胃・十二指腸,骨,鼻腔に報告がみられた.グロムス腫瘍は紫青色あるいは赤色,弾性軟で,激しい疼痛が特徴的な小腫瘤で,経過は緩慢な良性腫瘍である.統計によると,発症してから受診までの期間は長く,5年以上経過したものが単発型で45.5%,多発型64.7%であつた.
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